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大学院
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大学院を受験するに当たり、大学の成績が関係あるのかという質問を時々受けます。
結論から言いますと、Yes and No. です。
まずどうして「Yes」かと言うと、学部の成績が良いと、一部の大学院や専攻では筆記試験を免除するところがあるからです。東工大の大学院にも多くの専攻で筆記試験免除の制度があります。ただ、優・良・可・不の4段階で、90%以上が”優”、残りの10%位は”良”というくらい良くないとダメなようです。
ですので、通常は筆記試験(と面接)を受けるわけですから、この場合は学部の成績は全く関係有りません。なのでこの場合は「No」というわけです。試験で大学院で研究を行える基礎的な学力と、論理的思考能力とやる気を証明できれば、学部時代の成績が悪くても全く関係有りません。
学部の成績が悪かったとしても、急に大学院でやりたいことができたときには、心機一転、がんばって見ては如何でしょうか??
ちなみに、僕の学部の成績は、優:78%、良:10%、可:10%、不:2%、といっ た具合でした。まあ、悪くは有りませんが、筆記は免除になりませんでした。
蛇足ですが、高校(厳密に言うと高専)時代は、クラスで最下位でした。あの頃は何も考えずに遊びすぎました。反省…。
ほとんどの理工系の大学院の入試では、数学が課せられます。しかし、数学の出題範囲は非常に広いため、対策を立てようと思ってもなかなか手を付けられないでいる方が多いのではないでしょうか?
今日、おすすめするこの参考書は、全国の主要大学院の数学の過去問が出題分野毎に分類されています。ですので、志望の大学院の過去問の傾向を分析して、その傾向にあった分野の問題だけ解けば、非常に短時間で効率よく対策が立てられます。他の科目もあるわけですので、一つの科目に必要以上の時間をかけないことも、院試合格のための大切なポイントです。
サイエンス社 (1997/06)
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参考までに、この参考書の目次を以下に載せておきます。
続きを読む 先日の記事で、大学院入試の際に必要となることがある志望理由書の書き方について触れましたが、今日は僕が実際に院試の時に提出した志望理由書を多少手直しして例文を載せておきたいと思います。よかったら参考にしてください。
ただし、最初に言っておきますが、あくまでも参考程度にして下さいね。くれぐれもそのままコピペして使うようなことはしないでくださいね(笑)!というのもの、その人の熱意や考え方が志望理由書には現れるので、自分で書いたものかそうじゃないかは簡単に見破られてしまいますし、面接のときに志望理由書の内容をもとに質問されることもありますので…。
それでは、早速、例文です。
志望理由書例文(しょーたろーの場合):
私が貴大学院貴専攻を志望した理由は、原子力という技術を今以上に発展させ、それによって世の中に貢献したいと強く感じているからです。 私が初めて原子力に興味を持ったのは、高校1年生の時でした。化学のレポートでナトリウムについて調べることになり、私は高速増殖炉「もんじゅ」でナトリウムが使われていることを知り、それについて調べてみようと思いました。その時は原子力について何も知らなかったのですが、調べていくうちに、どうやら原子が分裂して膨大なエネルギーが生じるのだということを知り、それに驚いたことを覚えています。その経験がきっかけとなり原子力に対して興味を抱くようになり、ついには原子力関連学科のある大学に進学することにしました。
大学で原子力について学んでいくに従い、原子力の持つ無限の可能性に惹かれていきました。やがて、それは原子力という技術を更に研いていく必要があり、そうすれば、人々の生活を向上させるのに大きく貢献することができるのではないかという強い思いへと発展していきました。このように大学で学ぶうちに、国内外を問わず、企業や他大学での研究にも興味を持ち、ホームページ、書籍、雑誌などから、そして先生方にお話をお伺いし、情報を集めました。そして、その中でも特に目に止まったのが貴大学の貴専攻のホームページでした。早速、見学に伺ったのですが、その時、私は大きな衝撃を受けました。世界水準からみても最先端と思われる研究設備と研究の内容を見聞きし、また、貴専攻の学生や特に先生方の原子力に対する熱意を感じました。これらの理由から、人類と社会に役立つ原子力を研究していくためには貴専攻が絶好の場所である思い、貴専攻を志望させて頂きました。以上が貴専攻を志望させて頂くに至った経緯です。
私自身、原子力がこれからも人類に大きな恩恵をもたらす、必要不可欠なものであると確信しています。そして、まだまだ多くの課題が残されているとも感じています。それらの課題の中でも特に、安全性(固有安全性)、核拡散抵抗性、長寿命炉心、小型化について研究を進めていく必要があると思っています。安全性と核拡散抵抗性を高める必要がある理由として、チェルノブイリやスリーマイル、そして特に日本においては原爆の影響からか、原子力に対する理解が社会から十分に得られていないことが挙げられます。これらを高めることによって、社会からの理解を得られれば、それは原子力の発展に大きな力を与えることができると思います。そして、それと同様に必要なのが炉心の長寿命化、小型化などの研究によって、環境への負荷を低減していくことだと思います。また、さらに広い分野で人類に恩恵をもたらすためにも、医療での利用や宇宙開発利用などを見据えた研究も必要だと思います。以上の理由から、これらの研究に携わりたいと思っています。
まだ、研究したい分野が広く、具体的に絞れていない部分もありますが、それは私自身のこれからの課題でもあり、貴専攻にて私自身がどの分野で一番貢献できるのかを見極めて行きたいと思っています。もし貴専攻への入学が許可されましたら、原子力によって人々の生活がより豊かになるように、そのためにほんの僅かでも貢献できるように、熱心に研究に励みたいと思います。何卒よろしくお願い致します。
いかがでしょうか?ちなみに、この文章は全部で1364文字です。今見直すとまだまだだなあと思うところがいっぱいありますが、まあこれで一応合格できたので多少参考にはなるかと思います。
院試の願書の締め切りも近くなってきていますので、くれぐれも締め切りに間に合わないなんてことがなように、早めに書類をそろえて提出してくださいね!
志望理由書を書く前にこちらの記事も是非!:
志望理由書ってどうやって書くの?
研究計画書はどのようにして書けばいいか?
「志望理由書」と「志望理由がテーマの小論文」の違い
である調?ですます調?
小論文・志望理由書作成に必要な「論理的思考能力」の磨き方
参考までに紹介しておきますが、「一目でわかる志望理由書ハンドブック」は、例文が多く、説明も例文毎にされていてわかりやすいです。
ごろうまるさん、ご質問ありがとうございました。 今日は、ごろうまるさんのご質問にお答えしたいと思います。
Q.「今、理工系大学院の数学の過去問題集などを使って勉強しているのですが、私が志望する専攻(物理電子システム創造)とはかなり傾向が違うみたいなんです。
こういう場合は専攻の過去問を中心に勉強したほうが有効でしょうか?
といっても公開されているものが5年分くらいなので量的に結構不安になってしまいます。
何かよい方法がありましたら教えてください。 」
確かに、傾向が違う問題は、入試直前期にはあまり効果的でないかもしれません。かといって、過去問だけでは量的に不安ですね。
ぼくも院試のときに同じ思いをしたのでよくわかります。で、いろいろ試行錯誤してみて良かったと思った方法を書きたいと思います。
ぼくが実際にやってみたのは、まず、過去問から傾向を把握して、その次に大学の講義で使っている教科書や、図書館にある大学院入試の問題集や参考書を片っ端から眺めて、過去問と傾向の似た問題をいくつかリストアップして集めて独自の問題集を作りました。その後は、ひたすらそれを何度も繰り返し解きました。傾向に沿った問題で量的にも多くなったので、かなり実力と自身がつきました。
ただ、問題を集めるのに時間がかかるので、もうひとつお勧め出来るのが他大学(志望していなくても)の同様の専攻の過去問を取り寄せてみてはどうでしょうか。もしかしたら、院試問題の傾向が似ているかもしれません。これならそんなにお金もかかりませんし、取り寄せてしまえば、図書館や本屋に行って探し回るという手間もありません。
と、僕はこんな感じで過去問の傾向と量的な不安に対応しましたが、いかがでしょうか?いろいろ参考にして、自分自身で一番納得のいく方法でやってみると良いと思います。
がんばってください!!
※ ブログ左のサイドバーに「しょーたろーのおすすめ」というところがありますが、そこにも使えそうな院試過去問集を紹介していますのでよければ参考にしてみてください。
大学院入試で時々提出されるように求めれられる研究計画書ですが、今までそんなもの書いたこともない人がほとんどではないでしょうか。もちろんぼくも大学院進学まで一度も書いたことありませんでした。
今日は、そんな方のためにも、研究計画書とは何なのか、どうやって書いてみたらいいのか話したいと思います。
普通、大学院入試で提出する研究計画書には、特に指定がなければ決まったフォーマットというものはありません。ですので、ここでは一般的に使われている書き方をご紹介しておきます。
研究計画書には、以下の内容を含めるのが一般的です。
緒言 - Introduction
緒言の項目では、研究しようとしている分野の状況を紹介します。研究分野の今までから現在までの状況(研究対象となる技術、産業、企業、環境、国、地域、人物、理論など)を、具体的に記述します。
研究背景 - Background
緒言で紹介した状況の中に存在する問題を挙げ、どうしてその問題について研究しようと考えたか(研究動機)を具体的に記述します。
研究目的 - Research Objectives
研究の目的を端的かつ具体的に記述します。
期待される成果 - Expected Outcomes
計画している研究よって得られるであろう成果(結論)を具体的に記述します。
研究方法 - Research Approach
研究方法を具体的に説明します。例えば、理論分析であるのか、定量分析であるのか。数値解析であるのか、実験であるのか、もしくは統計学的分析であるのかというように、具体的に書く必要があります。
今までの研究成果 - Portfolio
自分が今までに書いた論文(修士論文や学士論文)、もしくはジャーナル等に掲載された論文や学術調査など、今までの業績で今後の研究分野に関連したものをリストアップします。
参考文献 - References
研究計画書作成時に参考にした論文や文献、計画している研究の参考にしようとしている論文や文献、研究報告などをリストアップします。
と、だいたいこんな感じなのですが、とにかく初めて書くとなると、なかなかイメージがつかめないのも確かです。ですので、研究計画書を書くための参考書をいくつか紹介しておきます。研究計画の考え方や具体的な書き方、例文などが詳しく載っていますので、特に初めて書く方にはとても参考になると思います。
どのように研究計画を立てるべきか、どのように研究計画書を書けばよいのか、参考になりそうな本をいくつか紹介しておきます。主に文系の研究計画を例にしたものが多いですが、理系学生にとっても考え方やアプローチが参考になると思います。
しょーたろー
東京工業大学の大学院生でした(H19年3月に修士課程修了)。専攻は原子核工学。3.11の前後では全く様相が変わり、自分が学んで来たことについて色々と考えることが多いです。
独自に編み出した勉強法などが世の中の大学生や大学院受験生のためになればと思い、ブログを始めてみました。宜しくお願いします。
ご質問などありましたら、コメント、メール、メッセージ、twitterなどで受け付けています。お気軽にご連絡ください!