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今日、TBSで「官僚たちの夏」が再放送していました。

詳細はTBSのウェブサイトにゆずるとして、昭和30年代、戦後の物不足で苦しむ敗戦国の日本を、世界と肩を並べる豊かな国にしたいという使命感に燃える、通産官僚たちの活躍を描いた物語です。

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すでに本放送のときにご覧になっていた方が多いと思いますが、僕は今回の再放送で初めて見ました。今回は1〜3話のみの限定再放送でしたが、多少感じたことがあったので、書き残しておきたいと思います。


今では一家に1台はあたりまえのテレビ、冷蔵庫、洗濯機も、当時の日本の一般家庭にはありませんでした。一家の奥さんは、家事をそれこそ丸一日かけてこなしているくらいでした。当時の日本人には、「一生懸命働いて、いつか豊かな生活を送りたい」という思いが例外なくあったのではないでしょうか。

そして、「モノづくりが豊かな生活を実現する」と誰もが思っていたに違いありません。例えば、タライで一枚一枚何時間もかけて洗濯していたのが、洗濯機があれば1時間ほどでほぼ自動で洗えてしまいますし、電気炊飯器があれば、目を離していてもお米を焦がさないで済みます。

このように、「これがあれば生活が豊かになる」、「あれがあれば生活が楽になる」というように豊かになるためには何をすれば良いのかが明確だったのだと思います。


しかし、現在は、さらに生活を豊かにするためには、何をすれば良いのかというのが、明確でなくなってしまっているのだと思います。
「豊か」の定義も当時はほぼ全ての日本人が同様の考え方をもっていましたが、現在は一人一人いろいろな価値観を持っていてバラバラです。また、望んでいるモノや事が手に入ったり、実現したとしても、それで本当に豊かになるのかという問いに対して、明確にYESと答えられる人も多くないと思います。

そういった意味で、僕たちは非常に難しい時代を生きているのではないかと思ってきたのです。

当時は、「これが実現すれば、これが手に入れば豊かになれる」という確固としたゴールがあったので、どんな困難にぶつかったとしても、忍耐強くやり遂げることができたのだと思います。
しかし、現在は、「これが実現すれば、これが手に入れば豊かになれる」という確固としたゴールがそもそも無いのではないでしょうか。なので、困難にぶつかってしまった時に、自分は何のためにこれほどまでに自分を犠牲にしてまで一生懸命やっているのだろうか?などという疑問が生じてしまい、途中で投げ出したり、それこそ心の病になってしまったりするのではという考えが浮かんできました。

確かに、今の自分を振り返ると、何のために、ここまで苦労して働いているのだろうかと考えることが多く、悩んでしまうことがあります。

「官僚たちの夏」見ていて、自分の中でもしっかりとした解が見いだせているわけではないのですが、今一度、自分が何のために働いて生きているのかを見つめ直してみたいなと思いました。


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